実は健康保険のレジン充填とダイレクトボンディングとの違いは明瞭ではありません。レジン充填というカテゴリーの中の一つがダイレクトボンディングであると言えます。とは言えダイレクトボンディングの明瞭な特徴はレジンの強い接着力を生かすために下地を作らずに直接歯の上に詰める事です。昔のレジンは接着力が弱いので隙間から細菌が侵入するという前提の元に下地を作る事が基本原則でした。つまりダイレクトボンディングは新しい考えのレジン充填であると言えます。
 また MI(Minimum Intervention:最小侵襲)による治療、つまり削らない治療法には欠かせない方法ですので「ダイレクトボンディング」と「削らない治療法」はほとんどイコールとして考えられます。逆に言えば詰めやすい場所(前歯)に限って更に詰めやすい様に歯を削ってから行うのが健康保険のレジン充填*であり、MIを優先して場所を問わず人の都合で無駄に歯を削ったりしないのがダイレクトボンディングであるとも言う事が出来ます。
 さて同じレジンでも当医院でダイレクトボンディングに使用しているレジンは健康保険適応外の自由診療専用のレジンです。ナノテクノロジーを応用した最新型である事は言うまでもなく、歯の自然な色調を出すためにカラーバリエーションに優れる事が特徴です。つまりダイレクトボンディングは色と形にもこだわります。
 健康保険のレジン充填だからと言って悪いという訳ではないのですが、その対価が安いのも手伝ってどちらかと言えばレジン充填は型取りの必要のないお手軽な方法として認識されています。対してダイレクトボンディングは手間の掛かるMIの結果を左右しますので真剣勝負をせざるを得ない方法です。

*レジンが詰め難い所は型を取って銀歯を作るのが健康保険の方法。ちょっと穿った見方をすれば型取り無しで済ませる方法と型取りした方が簡単に済む方法を使い分けていると言うことが出来ます。